加速器とは

高エネルギー加速器研究機構にあるSuperKEKB加速器は、素粒子の謎を解明するために開発された、1周3kmの電子陽電子衝突型加速器です。別名Bファクトリー(B工場)と呼ばれ、暗黒物質の解明など新しい物理の探索をしております。株式会社ユーサは、主に高エネルギー加速器研究機構にて加速器の組み立て・メンテナンスなどを行っております。

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真空機器類設置

真空機器は、文字通り真空空間を作り出す装置です。実験や、その他真空空間が必要な場所に設置されます。

そもそも空気が原子の集合体であり観測の妨げとなるため、加速器内を真空にする必要があります。真空空間にすることにより、疑似的な宇宙を再現するのです。加速器内の原子は光速にちかい速度で飛ばされ、3㎞ある加速器内を移動して、対抗する原子と衝突します。

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機器類のアライメント及び測量

アライメント作業は、真空機器類(チェンバー)の設置完了後、チェンバー内部をビーム等がスムーズに周回できるように設置したチェンバーの位置を測量します。

測量器は主にレーザー・オートレベル・セオドライト・下げ振り・スコヤ等を使用します。機種にもよりますが、概ね±0.5mm以内にアライメントを行います。

アライメントにより位置出しされた最終測量値はデーター化し、客先に提出します。

KODAK Digital Still Camera

保守メンテナンス

高エネルギー加速器研究機構など研究施設における、機器のメンテナンスも行っております。精密機械であるため、定期的な保守点検が欠かせません。また、全長3kmの長さということもあり、安定した実験をするためには、各所のチェックを常に行う必要があります。
ビームが走るビームパイプや、ビームの入射光率を高めるダンピングリングなど、実に様々な装置があります。

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部品組み立て

加速器の機器類の組み立ても行います。保守点検だけでなく、必要になった新しい機器類を組み立てて、設置をします。弊社で主に扱うのは真空機器のため、ビームが走る真空空間に関する装置を軒並み組み立てています。加速器自体が量産品ではなく独自のものであるため、組み立てるものも毎回違います。

必要や要望に応じられるように、正確に機器を組み立てます。

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加速器周回トンネル内での架台設置(アンカー打設)

加速器を安定させるために、機器にアンカーを打設します。一周3kmの加速器に使う機器類ですから、簡単には動かないように固定させる必要があります。アンカーが緩くなれば締め、新しい機器と取り替える際もまた、アンカーを打ち込みます。

アンカーを打ち込まない機器はないため、加速器の安定した運用を続けるためには、定期的な確認が欠かせません。

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真空チェンバーのフランジ類繋ぎ込み

フランジとは、管状になった機器同士を接続する部分を指します。フランジ管に特殊なパッキンを装着し、フランジ同士を合わせてからボルトで締める事で、フランジが繋がり、管が延伸されます。

加速器の真空空間を長距離にわたってつなげるために、真空チェンバーのフランジを繋げます。

チェンバーが管の内側を真空にするため、フランジの接続が甘いと、真空空間が形成されません。そのため、接続されたフランジ部に漏れがないかリークテストを行います。

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